環境設定

屋外シーンをシミュレートするスカイライトでHDRIを使ったIBLを行うにはダイナミックレンジが大きいため、環境設定で露出制御に”対数型露出コントロール”を選択するのが基本とされています。しかし、必ずしもすべて対数型露出コントロールで露出制御しなくてはいけないわけではありません。要はそのシーンに合わせて露出制御を行う事ができるようになる事だと思います。ここでは、環境設定の共通パラメータの設定と、露出制御の設定方法について勉強して行きたいと思います。

3ds Maxの環境設定は、大きく”共通パラメータ”と”露出制御”、そして”環境効果”の3つの設定に分ける事ができます。

 

~共通パラメータロールアウト~

【バックグランド】

・カラー: シーンのバックグラウンドのカラー設定。マップを使用にチェックが入っている場合は無効。

・マップを使用:バックグランドにカラーではなく、マップを使用する場合はチェックを入れる。

環境マップ:環境マップの割り当て。

 

【グローバル照明】

・ティント: カラーが白以外であれば、シーン内のすべての照明に色をつける(周囲光は除く)。

・レベル: シーンのすべての照明を調整する。レベル1.0は、オリジナルの個別のライト設定を保持する。レベルを増やすと、シーン全体の照明が上昇し、レベルを減らすと全体の照明が低下する。

・周囲光: 周囲光のカラーを設定する。

 

~露出制御ロールアウト~

・HDRIを使ってライティングを行う場合は、ダイナミックレンジ(暗い部分と明るい部分の比)が大きいので、ここで選択する露出制御は、”対数型露出コントロール”を使用するのが良いとされる(しかしながら、HDRIの全てがダイナミックレンジを十分に使用しているわけではない。LDRIとそれほどかわらない場合もある。その時には”線形露出コントロール”を選択した方がよい場合もある)。

・アクテイブ: 露出制御のON-OFFを制御。露出制御する場合はチェックをONにする。

・バックグランドと環境マップを処理: チェックをONにしておくと、シーンのバックグラウンドおよび環境マップにも露出制御が適用される。バックグランドや環境マップにHDRIを使用する場合はONにしておく方が良好な結果を得られる。

 

~対数型露出コントロールパラメーター ロールアウト~

・輝度:露出コントロールされた色に対する輝度を調整します。高くすると明るくなり、低くすると暗いくなります。既定値50。0~200の範囲で調整する。

・コントラスト: 露出コントロールされた色にたいするコントラストを調整する。高くするとコントラストが強くなり、低くすると弱くなります。既定値は50。0~100の範囲で調整する。

・ハーフトーン: 露出コントロールされた色の中間色を調整します。高くすると明るくなり、低くすると暗くなります。既定値は1.0.

・物理スケール:標準ライトを使用している場合、この値で露出制御するための物理的大きさを設定します。各標準ライトの強度(マルチプライヤの値)に、この物理スケールの値を掛けて露出コントロールするための光の強度(カンデラ)を算出します。例:マルチプライヤの値が1.0の標準オムニライトで物理スケールが1500の場合、その標準オムにライトは1500カンデラのフォトメトリック等方向性ライトとしてレンダリング時処理されます。既定値は1,500。 0~200,000カンデラの範囲で設定する。※物理スケールの値がフォトメトリックライトに影響を与える事はない。

・カラー補正:チェックをONにすると、ここで指定している色が「白」に見えるようにカラー補正を行う。そのため、チェックをONにしても、白を指定している場合はなにも効果はない。この値のコントロールで目が照明に適応する機能をシミュレートする事ができます。たとえば、白熱電球によって部屋の照明が黄色がかっている場合でも人間の目は、白であるとわかっている物を白と認識し続けます。最適な結果を得るためには、薄い青や薄い黄色などの非常に薄いカラーを使用するようにします。

・低レベルの彩度減少: ?

・間接のみ影響:チェックをONにすると間接光のみ露出制御されます。※ラジオシティーで標準ライト(フォトメトリックライト以外のライト)を使用する場合は、つねに”対数型露出コントロール”を指定して、間接のみ影響をONにする事を3ds Maxのリファレンスは推奨しています。これにより、露出制御はラジオシティーの結果にのみ影響し、標準ライトには影響を与えません。ラジオティーの結果と標準ライトの結果を調和させるために、”輝度”と”コントラスト”の値をコントロールすることも推奨しています。スカイライトでHDRIを使用してIBLを行う場合には、HDRIより計算された直接光は輝度が非常に高い(場合が多いと思われる)ので、直接光に対しても露出制御する必要があるため、ここのチェックは通常OFFにしておく。

・外部デイライト: チェックをONにすると、屋外シーン用に露出制御される。輝度が高すぎる場合に使用する。既定値はOFF。